Amzonプライム限定で放送されているスペシャリストにスポットを当てたドラマが、予告を見ただけで泣けると、ドラマがとても話題になっています!
ドラマの概要は、海外で亡くなった方を国境を越えて、国内の遺族の元へ届ける実際にあるスペシャリストの物語です。
#米倉涼子 さん主演で3月17日(金)より、Amazon #プライムビデオ で配信される
『#エンジェルフライト 国際霊柩送還士』は 市原市内を走る #小湊鐡道 沿線でロケが行われています!#Amazonプライム に契約されている方はぜひご覧ください!https://t.co/0bobggwIXV pic.twitter.com/AWBVdUA42P— 千葉県市原市 (@ichihara_city) March 17, 2023
羽田空港内にある「エンジェルハース」という会社内で、亡くなった方と残された家族との間に繰り広げられる物語を、笑いあり涙ありで描くヒューマンドラマです。
このドラマの中に出てくる「国際霊柩送還士(こくさいれいきゅうそうかんし)」ですが、中々聞き慣れない職業ですよね。ドラマを見れば、何となくどんな職業かは分かると思います。
しかし、そもそも実在するのか?詳しく知りたい!と思ったため、調べてみることにしました。また、ドラマ内に出てくる「エンジェルハース」は羽田空港に実在するのかも調べてみました!
国際霊柩送還士は実在するの?どんな職業なのだろう?
国際霊柩送還士とは、海外で亡くなった国内の人の遺体もしくは、国内で亡くなった外国人送還の業務全般を行います。テロ、災害、事故など、現代の不測の事態に向き合う仕事です。
具体的には、大きく4つの仕事があります。
「空港でのご遺体の引き取り」この業務内容は、海外から送られてきたご遺体を、空港で受け取る仕事です。ドラマ内では、海外で受け取るシーンが何度も出てきますが、日本の求人では、海外出張の明記はありません。基本的には、国内でのみ引き取りを行います。
ご遺体とお棺などは60〜80kgあると言われ、それを2〜4名程度で運ぶ場合もあります。長い間持つ訳ではないものの、華奢な方の場合は筋力トレーニングなどが必要そうです。
「ご遺体のメイクアップ」この業務内容は、レストレーションやエンバーミングとエンゼルメイクと呼ばれています。
まず、求人によく書かれているレストレーションとは、衛生面に気をつけながら、ご遺体の処置、修復、防腐、化粧、お着替えなどをすることを指します。このあとにご紹介するエンゼルメイクやエンバーミングも含んでいる場合があります。
次にエンゼルメイクとは、死化粧(しにげしょう)とも呼ばれています。故人の顔や身体にメイクを施し、生前に近い状態にします。病院や介護施設で亡くなった場合は、看護師や介護士がエンゼルメイクを施すことが多いようです。
エンバーミングに関しては、日本語では遺体衛生保全と訳され、専門性が必要です。遺族の方が近づいても大丈夫なように感染リスクを最大限に下げるエンバーミングは専門の資格を持ったエンバーマーが行います。
資格と言えども、国家資格ではなく、民間の資格が多い状況です。日本の法律では、規制がないため有資格者でなくても良いとされています。
「ご遺族へご遺体の引渡し」この業務は、ご遺族にご遺体と対面していただく業務です。当然、遺体と対面して喜ぶ人は居ませんし、悲しみに沈む遺族を目の当たりにすることになります。
「安置場所への送還」この業務は、葬儀を行う前に、安置場所へご遺体を移動する業務です。空港での引き取り同様、重いご遺体とお棺を運びます。引き取りでもご遺体に影響がないように運びますが、様々な処置を施したご遺体を運ぶ際には、より一層注意が必要です。
そして、国内で外国人が亡くなった場合は、逆の手順を辿ります。ご遺体に処置を施し、空港へと運びます。この際には、宗教や習俗を尊重した形で送り出すことが重要とされています。
業務は常にある訳ではなく、外務省からの依頼があると仕事が始まります。テロ、災害、事故など、予想が出来ないことに対応する仕事ですので、医療現場の様に、24時間365日体制の会社が多いです。
エンジェルハース社は羽田空港に実在するの?
ところで、ドラマの舞台にもあったエンジェルハース社は実際に羽田空港にあるのでしょうか。実は、エンジェルハース社は実在はしないのですが、モデルになった会社はあるようです。
「エアハース・インターナショナル株式会社」という航空霊柩を行う会社が羽田空港内に実在します。
ドラマの原作でもある、佐々涼子氏作の同タイトルのノンフィクション本は、この会社に取材を申し込んで4年かけて説得し、1年かけて取材して完成させた作品です。
国際霊柩送還士には資格は必要?どうやってなるの?
国際霊柩送還士になるためには、特殊な資格は必要ありません。ご遺体を運ぶ際には、車での移動がメインとなるため、「普通自動車第一種運転免許」や「普通自動車第二種運転免許」が必要です。
また先に書いた通り、民間資格の「IFSA認定のエンバーマー資格」「遺体感染管理士」「終末期ケア専門士」などがあると、優遇される場合があります。しかし、これらの資格の中で、受講資格が、看護師や介護士の実務経験3年以上と記載されているものもあり、あくまで全く異なる業界から転職する人が取得する資格としては難易度が高めです。
国際霊柩送還士になる場合は、その募集を行っている会社の求人に応募し、採用されれば国際霊柩送還士として従事することができます。
国際霊柩送還士の年収や大変なところ
国際霊柩送還士の年収は、平均で200〜300万円と言われています。実際の求人を見ると、基本給が17万円~25万円です。そこに資格手当などがつきます。日本人の平均年収が400万円程度と考えると、高給な仕事ではありません。
国際霊柩送還士の大変なところと言えば、介護業界などで言われる3Kが挙げられます。「きつい」「汚い」「危険」が3Kです。
具体的に見ると、「きつい」のはご遺体やお棺が重いからです。求人の業務内容にもあるようにペアで仕事をすると書かれていますが、60〜80kgのご遺体やお棺をたった2人で運ぶのは重労働です。重さを例に出すと家電の洗濯機や冷蔵庫が似た重さです。遺族の前で業務用の台車などで運ぶ訳にはいかないため、人が運ぶ作業が発生します。
また「汚い」に関してですが、ご遺体は基本的に綺麗なものではありません。特にテロ、災害、事故などに遭ってしまったご遺体は損傷が激しく、血液や体液が出ている場合が多いものです。見た目はさることながら、臭いも気になるところです。
過ぎに「危険」に関してですが、昨今の新しい病が流行したように、ご遺体がどんな感染をしているかは計り知れません。そのご遺体と最初に触れるのですから、感染リスクなどを考えて危険と言われています。
その他には、メンタル面が気になるところです。やはり死と向き合う仕事だからです。葬儀屋では笑ってはいけないと言われているのと同様に、どんなことがあっても笑ってはいけません。そして、ご遺族が悲しんでいる姿を直近で見なくてはいけません。ドラマのシーンのように、ご遺族の心ない反応が全くないとも言えません。
大変なことを挙げましたが、国際霊柩送還士は使命感を持って仕事を行っている方が多く、非常にやりがいがある仕事と言われています。「ご遺族に穏やかな表情で会わせてあげたい」「ご遺族が最後のお別れを少しでも心残りなく美しい状態で行って欲しい」と強い想いを持って国際霊柩送還士をしている方が沢山いらっしゃいます。
まとめ
・国際霊柩送還士とは、国外で亡くなった方を遺族の元へ美しい状態で対面していただく処置や送迎をするスペシャリスト
・国際霊柩送還士には普通自動車運転免許の資格が必要。その他、業務に関わる資格はあると尚良い
・国際霊柩送還士の年収は200〜300万円と高給ではない
・国際霊柩送還士は心身共に重労働ではあるが非常にやり甲斐がある仕事
以上、国際霊柩送還士についてまとめました。この様な仕事があることを初めて知ったので、尊い仕事があり、それに従事して下さる方が居ることに感謝をしたいと思いました…!
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