「きのこ鍋」と聞いて、正直ちょっとだけ“健康系のやつかな”と思っていた。
ところが、席について最初に出てきた一皿で、その先入観は一発で崩れた。
どう見ても生肉っぽい見た目の料理。でもこれ、肉じゃない。キノコだ。
この時点で、もう勝ち。今日は“ただの鍋”では終わらない、と確信した。
今回のコース:「香格里拉 – SHANGRILA –」
この日の内容はざっくりこんな流れ:
- 前菜
- お肉の焼き串揚げ
- 秘伝のブラックスープ
- 厳選きのこ8種盛り合わせ
- 中国豆腐とお野菜盛り合わせ
- 海鮮盛り合わせ
- しゃぶしゃぶ肉(1種選択)
- トリュフ卵かけご飯 極み(締め)
- デザート
前菜:生肉みたいなキノコが出てきて、脳がバグる
まず前菜がこれ。
言われなかったら生肉にしか見えない。赤身っぽい色、薄切り、薬味のネギと胡麻。見た目だけなら完全に“刺し系”。
でも食べると、肉の繊維ではない。噛むとスッと切れて、独特の弾力と香りが残る。
ここで思った。
「この店、“きのこ”を食べさせる気がない。きのこで驚かせる気だ」
お肉の焼き串揚げ:これも肉にしか見えないキノコ
衣の香ばしさ、ジューシー感、噛んだときの“肉っぽさ”。なのに、正体はキノコ。
ここで分かる。
このコースは「鍋」から始まらない。
最初の2皿で「きのこの概念」を壊してから、本番のブラックスープへ連れていく構成になっている。
きのこスープ:派手さはないのに、旨味が深い
そして登場するのが、きのこスープ。
ぐつぐつと静かに煮える透明感のあるスープ。見た目はシンプルなのに、ひと口飲むと驚く。
強い調味料で押してくるタイプではなく、きのこの旨味がじわっと重なっている感じ。
派手さはない。でも、確実に深い。
飲むたびに「あ、これきのこがいっぱい!」と分かる味だった。
そして一人ずつに別々の鍋なのもうれしい
厳選きのこ8種:全部違う。だから飽きない
ここがこの店の本丸。
きのこがズラッと並ぶ……んだけど、同じ“きのこ”として食べられない。
- シャキシャキ系(歯切れが良い)
- ぷるぷる系(ゼラチン質っぽい)
- コリコリ系(貝っぽい弾力)
- 肉厚系(噛むほど旨味が出る)
きのこって「味の差」より「食感の差」がデカい。
この店はそこを分かっていて、飽きる前に次の食感を投げてくる。
結果、きのこだらけなのに全く飽きない。
中国豆腐とお野菜盛り:スープの“受け皿”になるパート
きのこで遊んだ後に入る、豆腐と野菜のパート。
これが“箸休め”かというと、ちょっと違う。
きのこスープの旨味を受け止める素材が変わると、スープ自体の表情も変わる。
ここで一回、味の輪郭が整う感じがある。
海鮮盛り:きのこと並んでも負けない存在感
海鮮もちゃんと強い。
帆立、海老、鮑など、素材の味がはっきりしているものが来るので、ブラックスープの“深さ”がより分かりやすくなる。
「きのこ鍋」って言うと、どうしても“ヘルシーで優しい味”のイメージになりがちだけど、ここは違う。
食べ応えがある。
しゃぶしゃぶ肉:主役は肉じゃなく、スープ
ここで肉。
もちろん美味しい。だけど不思議なことに、肉が出ても“肉が主役”にならない。
きのこスープの存在感が強いから、肉も「スープを完成させるパーツ」になる。
このバランスが、よくできてる。
締め:トリュフ卵かけご飯が全部持っていく
そして最後。
トリュフ卵かけご飯「極み」が出てくる。
ここがズルい。
鍋を食べ切って、満腹のはずなのに、トリュフの香りが立った瞬間に「別腹」が発動する。
卵黄の濃さ、香りの強さ、口に入れた瞬間の“締めに相応しい感”。
締めが雑だとコースの印象って一気に落ちるけど、ここは逆。
最後の一発で、記憶に焼き付けてくる。
まとめ:これは「きのこ鍋」じゃなくて、きのこフルコース体験
最初の前菜から、肉に見えるキノコで脳をバグらせて、串揚げでもう一回殴ってくる。
そこからきのこスープで本番に入って、きのこ8種で“飽きない理由”を体感させて、最後にトリュフ卵かけご飯で締める。
流れがきれいに設計されている。
きのこ鍋というより、きのこフルコース体験だった。
おすすめする人
- きのこが好き(でも単調なのは嫌)
- 六本木で“変化球のディナー”を探している
- デートや女子会で「何その店?」と言われたい
- ヘルシーだけど満足感も欲しい
次は名物ブラックスープも試してみたい。 また行きたいと思うお店だった









