「ル・プチシェフ」は、テーブルに映像を投影しながらコース料理を楽しむ体験型ディナーです。小さなシェフたちが卓上を動き回り、料理が出てくる前から物語が始まるのが特徴。今回体験したのは、国ごとのストーリー展開を楽しみながら料理が提供されるプレミアムメニューで、スペイン、イタリア、フランス、そして最後は日本へと流れていく構成になっていました。見ていて飽きないし、普通のレストランとはかなり違う体験ができます。
まず結論。ル・プチシェフは“料理だけ”ではなく“体験込み”で満足度が高かった

このディナーの魅力は、料理単体の点数だけで評価しない方がいいところです。
もちろん味も大事ですが、このコースは映像演出、ストーリー、会場の暗さ、料理の登場タイミング、食べる側の気分まで含めて楽しむタイプ。
だから「すごく美味しい高級フレンチを静かに味わう」というより、
“今日はちょっと面白い夜を過ごしたい”という日にちょうどいい。その意味で満足度はかなり高かったです。
会場に入った瞬間から始まる演出が楽しい
席につくと、まずテーブルそのものがステージのようになります。
天井からのプロジェクションで、テーブルクロス代わりに世界観が広がっていく感じがすでに面白い。最初に映し出された「Wishing you a beautiful night!」のメッセージも、これから始まるディナーへの期待を上げてくれました。
普通のレストランだと、席についてメニューを見て、という流れですが、
ここは最初から“始まっている”感があります。QRコードの演出まで組み込まれていたのも今っぽくて、単なる映像投影で終わらせていないのがよかったです。
国ごとにストーリーが進むコース構成も面白い
- 当日のメニュー
スペイン:前菜からちゃんと華やか

最初のスペインパートは、トマトやシーフードを使った前菜。
見た目もきれいで、ここで「演出だけじゃなく、料理もちゃんと作ってるな」と感じました。
序盤はどうしても“ショーを見るモード”になりがちですが、この前菜で食事モードにも自然に入れます。
イタリア:トリュフの香りが強くて満足感あり

イタリアはトリュフのラビオリ。このあたりから、演出の楽しさに加えて香りの満足感も強くなってきます。トリュフ系は好き嫌いが分かれることもあるけれど、こういう体験型コースの中盤に入る料理としてはかなり印象に残りました。“イベントのご飯”っぽさではなく、ちゃんと一皿として存在感があります。
フランス:メインのステーキはしっかり主役

メインのフランスパートはステーキフリット。ここはかなりわかりやすく満足度が高いです。映像の中で料理が準備されていく流れから実際の皿につながるので、出てきた瞬間のテンションが上がる。
しかも、見た目だけでなく「ちゃんと肉を食べた」という満足感がありました。正直、ここが弱いと全体の印象も落ちると思うのですが、メインとしてきちんと成立していたのは大きいです。
日本:桜の演出と抹茶デザートで締める流れがきれい

最後の日本パートが、個人的にはかなり好みでした。
桜が舞うような投影演出と、抹茶ベースの和風モンブラン。終盤にこのビジュアルが来ると、一気に空気がやわらかくなります。
スペイン、イタリア、フランスと来て、最後を日本で締める構成もきれい。特に春っぽい雰囲気の演出は写真映えもしやすく、体験の締めとしてかなり強かったです。
料理の味はどう?正直な感想
味については、過剰に持ち上げる必要はないと思っています。
このコースは、超本格ガストロノミーを求めて行く場所ではありません。でも逆に言うと、“演出ありきだから味は期待しない方がいい”というほどでもないです。
前菜、中盤のトリュフ、メインのステーキ、デザートまで、どれもきちんとコースとしてまとまっていました。特にメインは満足度が高く、最後のデザートも世界観込みで印象に残ります。
つまり、料理を厳しく採点するレストランではなく、料理もちゃんと楽しめる体験型ディナーという理解が一番しっくりきました。
良かった点
1. 普通のレストランでは味わえない特別感がある
席についた瞬間から物語が始まるので、最初から気分が上がります。「今日はちょっと特別な夜」という空気を作りやすいです。
2. 演出と料理のつながりがちゃんとしている
ただテーブルに映像を流しているだけではなく、料理が出てくる流れと演出が連動しているので、見ていてちゃんと楽しいです。
3. 写真を撮る楽しさもある
暗い会場ではあるけれど、その分、投影と料理が重なった写真はかなり雰囲気が出ます。普通のコース料理より“撮りたくなる瞬間”が多いです。
4. ホテルディナーとしての非日常感が強い
ANAインターコンチネンタルホテル東京という場所も含めて、少し背筋が伸びる感じがある。外に出ると東京タワーや桜の景色まで楽しめて、夜の満足感が高かったです。
気になった点
1. 暗いので写真は少し難しい
映像演出がある分、どうしても暗め。うまく撮れたときはすごく映えるけれど、ブレたり色が飛んだりもしやすいです。
2. 純粋な“美食ディナー”とは評価軸が違う
料理だけを最重視する人だと、少し方向性が違うかもしれません。ここはあくまで“体験込み”で楽しむ場所です。
3. 静かに会話を楽しむタイプの店ではない
演出の時間は自然とテーブルを見ることになるので、落ち着いて長く会話したい人には向き不向きがあります。
ル・プチシェフはこんな人におすすめ
- 記念日や誕生日で、普通の食事だけでは物足りない人
- デートで少し印象に残る店を探している人
- ホテルディナーの特別感が好きな人
- 写真や動画を撮るのが好きな人
- 体験型のレストランに一度行ってみたい人
逆に、料理の味だけをとにかく最優先したい人、静かに長く会話したい人には、別タイプのレストランの方が合うかもしれません。
まとめ。記念日やちょっと特別な夜にちょうどいい体験型ディナーだった
ANAインターコンチネンタル東京の「ル・プチシェフ」は、単なる映像演出レストランではありませんでした。もちろん、驚きや楽しさはしっかりある。でもそれだけでなく、コース料理としての満足感もちゃんとあって、ホテルディナーらしい特別感まである。
だからこそ、“一回行けば十分”で終わる感じではなく、誰かを誘ってまた行きたくなるタイプの体験でした。普通のレストランに少し飽きてきた人や、記念日に印象に残る夜を過ごしたい人にはかなりおすすめです。ディナーのあとに外へ出て、東京タワーと桜の夜景まで見られたのもよかった。
食事だけで終わらず、その夜全体がひとつの思い出になった感じがします。





