福岡市博物館 「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」11月3日(金祝)〜12月24日(日)

Date:2017年11月20日13時01分 | Category:博物館・美術館 | Writer:ぐらんざ編集部
福岡市博物館 「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」
11月3日(金祝)〜12月24日(日)

あらゆるジャンルを横断する希代のコレクター 
芸術・科学・魔術が共存 美と妖の境界へ


「なんじゃこりゃ!」ポスターの絵(右がその絵です)をご覧になった方は、驚かれたに違いありません。キャプションを見ると、画家の名前はジュゼッペ・アルチンボルド、タイトルは「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」とあります。「アルチンボルド」って誰?「ウェルトゥムヌス」って何のこと?謎は深まるばかりです。

 ジュゼッペ・アルチンボルドはイタリア出身。だまし絵の肖像画でルドルフ2世の父親・マクシミリアン2世に気に入られたそうです。ウェルトゥムヌスは農作物と季節を司るギリシャ・ローマ神話の神で、変幻自在の美男子です。果樹栽培を愛する美しい妖精・ポーモーナを口説き落とす物語は、なかなかに魅力的です。つまりこの絵は、農作物の神に扮した皇帝の肖像画というわけ。皇帝と画家との距離の近さがわかります。それだけでなくウェルトゥムヌスが物語でささやいた「ずっと独り身でいるよりは…」の口説き文句は、生涯一度も結婚しなかった皇帝に対する忠告だったかも知れません。
 ひげを蓄えたルドルフ2世の肖像画も展示されています。奇しくも九州国立博物館の新・桃山展に出品された「泰西王侯騎馬図屏風」にも、馬上りりしい姿が描かれていました。

 当時は大航海時代。ヨーロッパはコペルニクスの地動説やルターの宗教改革で、これまでの価値観が揺らいだ時期でした。展示されている「人生の短さの寓意」といった抽象画や、天体観測用の機器「アストロラーベ」からは、芸術だけでなく錬金術や天文学、植物学などルドルフ2世があらゆる分野に興味を示した理由も推測できます。

 政治的には無能だったとされますが、チェコのボヘミアングラスを発展させるなど、文化的に多大な功績を残した皇帝の世界を垣間見てはいかがでしょうか。







繁竹治顕
元NHK記者。’93年全米オープンゴルフ、’94年リレハンメル冬季五輪、2000年シドニー五輪などを取材。福岡放送局広報事業部長、副局長。現在、九州国立博物館振興財団専務理事。西南学院大学非常勤講師(ジャーナリズム)



福岡近郊博物館・美術館11月〜のスケジュール
※( )内の料金は、特別・前売り・団体料金、詳細はお問合せください

九州国立博物館
文化交流展示室
〈新・桃山展〉の仲間たち
室町・安土桃山時代編 part 2


11月3日(金祝)〜12月23日(土祝)
●一般 430(220)円
●大学生 130(70)円
●高校生以下および満70歳以上は無料
休館日/月曜日(ただし月曜日が祝日
の場合は開館、翌日休館)
☎050・5542・8600(ハローダイヤル)



福岡市博物館
神聖ローマ帝国皇帝
ルドルフ2世の驚異の
世界展


11月3日(金祝)〜12月24日(日)
●一般 1,500(1,300)円
●高大生 900(700)円
●小中生 600(400)円
休館日/月曜日
☎092・845・5011



福岡アジア美術館
サンシャワー:
東南アジアの現代美術展
1980年代から現在まで


11月3日(金祝)〜12月25日(月)
●一般 800(600)円
●高大生 500(300)円
●中学生以下無料
休館日/水曜日
☎092・263・1100



久留米市美術館
生誕120年
東郷青児展


11月23日(木祝)〜2月4日(日)
●一般 1,000(800)円
●65歳以上 700(500)円
●高大生 500(300)円
休館日/月曜日(ただし1月8日(月)は
開館)、年末年始(12月28日〜1月1日)
☎0942・39・1131



長崎県美術館
ミロコマチコ
いきものたちの音がきこえる


11月11日(土)〜1月8日(月祝)
●一般 1,000(800)円
●大学・70歳以上 800(600)円
●高校生以下無料
休館日/11月27日(月)、12月11日(月)、
25日(月)、29日(金)〜1月1日(元日)
☎095・833・2110