「マイ・ソング」 キース・ジャレット(77年録音)

Date:2017年05月19日13時01分 | Category:音楽 | Writer:相川 潔
「マイ・ソング」 キース・ジャレット(77年録音)

キースがカルテットで残した
70年代の集大成アルバム


ース・ジャレットの長いキャリアの中でひときわ輝いていたのがヨーロピアン・カルテットと呼ばれるメンバーとの作品群である。ソロ活動と同時に組んでいたアメリカン・カルテットは彼にとって創造力を発揮する礎となっていたが同時に自己主張の強い連中に悩まされ、ついに解散の憂き目を見る。逆にキースを神と崇めるヨーロッパの精鋭達との演奏は彼にとっての安住の地であったのかもしれない。2年前に彼らと発表した「ビロンギング」の成功もあり、キースはストレスを感じることなく牧歌的で明るく、しかもフリーキーな演奏を含めオリジナル6曲を収録した。ECMレーベルだけにヤン・ガルバレクのサックスはあくまでも透明でクリアvな音を発し北欧の静謐な空気を漂わす。ベースも力強く、ドラムはシャープにリズムを刻む。CMなどでも度々利用された親しみやすい素朴なメロディの「マイ・ソング」やゴスペル調の「カントリー」など、玉手箱のような世界が広がる。キースはいつもよりうなり声をあげ、快感に浸っている。このアルバムはいつ聴いても心地良いのだ。


このレコードはもちろん西ドイツ原盤で、音も当然良いがジャケットもキースの写真が使われている。彼にとってはパラダイスみたいな世界である。

相川 潔
元広告会社社員・長崎市生まれ熊本市在住。
ジャズ、ロック、ソウルなどのレコードを追い求めて数十年。名盤、奇盤多数。
レコードは盤、ジャケット、再生機を含めて楽しむべき芸術だと思います。