映画『家族はつらいよ2』

Date:2017年05月17日13時29分 | Category:シネマ | Writer:古山和子
映画『家族はつらいよ2』
三世代同居の平田家にまた会えます。
今度はなにごと?




映画『家族はつらいよ 2』
原作・監督:山田洋次
出演:橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、小林稔侍ほか
配給:松竹株式会社
◎5月27日(土)より福岡中洲大洋、
 T・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13ほかにて公開



寅さんに会えなくなってもう20年。山田洋次監督が昨年スクリーンに登場させたのが、三世代同居家族の平田家ご一同。長年連れ添った妻からまさかの熟年離婚を突きつけられ、まったく合点がいかぬ周造おじいちゃんを囲んで大騒動の一家に、可笑しいやら、同感するやら…でしたね。やっぱり2作目ができました。今、日本が直面する高齢化の現状、中でもとても身近な問題を、同じ目線で観ることができる私たちを巻き込んで、大笑いしながら考えさせてくれます。

 キャスティングも前作と同じ平田家の数年後。周造の楽しみは、マイカーでの外出。しかし最近、車には凹み傷が目立つ様になり、心配する家族は「大事故を起こしたら大変」と免許の返納を画策。ところが全く聞く耳をもたず、一筋縄ではとてもとてもの周造に、嫌な役割をなすりつけ合う家族たち。そんな家族をいいことに、「俺は死ぬ迄、車の運転を続けるぞ」と豪語する周造。

 しかし、妻の富子が旅行中に「しばらく独身貴族なんだ、ウフフ」と出かけた先で…。しかも女性がらみ。大事には至らなかったものの長男夫婦とは大げんかに。

 丁度その時期に、周造は広島の高校時代の同級生丸田と思いもよらぬ形で40年ぶりに再会します。大きな呉服屋の息子で女の子にも人気があった彼の今の姿にショックを隠せない周造。かつて順調だった人生、どこで踏み間違ったのか。事業の失敗、去っていった家族、そして残されたのは貧しい一人暮らしの老後。普段は面倒でうるさいとばかりに思っていた家族の存在の有難さに気づく周造でした。

 彼を元気づけようと、親しい友達に呼びかけて開いた同窓会。おつまみに出された“ぎんなん”の実。“そうそう丸田の実家にも大きな銀杏の木があったなぁ…”と、酒の量も話も盛り上がって楽しい夜は更け、結局平田家に泊まった丸田でした。が、翌朝になると大変なことに…。

 周造役の橋爪功、妻の吉行和子を始め、長男夫婦の西村雅彦、夏川結衣ら、一作目に続く平田家面々に加え、丸田を演じる小林稔侍の名演技が印象的です。そう言えば彼も「東京家族」「小さいお家」「母と暮らせば」などなど、これ迄に10作品ほどの山田映画にはお馴染みの俳優ですよね。さすが、山田作品ならではの演技アンサンブルが見事!

 これまで喜劇にはタブーとされていた死にも挑んだ山田監督は“死がもたらす、滑稽でバカバカしい大騒ぎを丁寧に描いてみました。大笑いしながら格差社会の重苦しさにも思いを馳せて下されば”と語っています。


古山和子
RKBアナウンサー時代には「ユーアンドミー」や「ザ・モーニングダイヤル」などを担当。現在もラジオ番組や講演会で映画を中心にしたおしゃべりで活躍中。