今月のひと シニア演劇部「劇団かっこん党」 内田 美穂さん

Date:2017年04月20日13時01分 | Category:今月のひと | Writer:ぐらんざ編集部

重ねた人生経験がにじむ、いぶし銀の魅力
観る人も演じる人も虜にするシニア演劇



 近頃、シニア演劇が熱い。始めは、セカンドライフの趣味のひとつとして「ちょっと演劇でもやってみようかな」と軽い気持ちで始めたはずなのに、その魅力に取り憑かれる人が続出。活動は全国で活発になり、徐々に裾野を広げているという。ももちパレスカルチャーセンターの講座・シニア演劇部「劇団かっこん党」で活躍する内田美穂さんもそのひとりだ。

 内田さんが演劇を始めたのは一年半前。演劇経験ゼロからスタートして、6月に福岡で開かれる全国シニア演劇大会では時代劇「おつう、仇討ち、かっこん党」のメインキャスト「おつう」を演じるという目覚ましい活躍ぶりだ。

 「60歳からの第二の人生で何か始めたいと思っていた矢先にシニア演劇部が始まると知り、思い切って飛び込んでみたんです。演じることで新しい発見もありましたよ」と内田さんは声を弾ませる。「これまで自己表現として折に触れ和歌を詠んだり絵を画いたりしていましたが、自分が表現できたという満足感は得られませんでした。ところが、劇中で自分を消し、別の人物になりきろうとすることで、逆に自分でも気づかなかった“私”が見えてきたんですよ。60年の間に身についた自分の所作や考え方などを通して役を演じるからなのでしょうね」

 「その役になりたくて、ただただ一生懸命なおじさんおばさんたちがとっても愛おしくて…。誰も口にはしないけれど、きっとみんな高齢の親の介護や子供たちの心配や孫の世話などなど背負っているものはいっぱいあると思うんです。そんななか大切な時間を捻出して集まるのは生半可な気持ちではない。演劇をやりたい、表現したいという情熱があるからなんです。劇団のみんなの顔を見て欲しい。本当に純粋で無邪気で。なんだかシニアって素敵だなぁって思うんですよ」

 人生を重ねて来たものにしか出せない深みのある演技も、シニア演劇の魅力である。