「アイドル・モーメンツ」(63年録音) グラント・グリーン

Date:2017年03月14日15時32分 | Category:音楽 | Writer:相川 潔
「アイドル・モーメンツ」(63年録音)
グラント・グリーン


新主流派の雄に触発されて
モーダルプレイ挑戦の意欲作


グラント・グリーンはブルーノートを代表するギタリストで、リーダー作は約20枚、参加した作品は60枚近くに及んでいる。
彼のプレイはシングルトーンのブルース臭漂う演奏スタイルであったが、当時ブルーノートが売り出そうとしていた新進気鋭のジョー・ヘンダーソンやボビー・ハッチャーソンと共演することにより、
新たなグリーンへ変貌しようとする意欲が示されたのが、この「アイドル・モーメンツ」である。
彼ら2人だけでなく、タイトル曲を提供したデューク・ピアソンの役割も重要で、この作品すべての曲のアレンジを手掛けているのだ。
「アイドル・モーメンツ」は、もうこれ以上ゆっくりはできない程ゆっくりしたテンポで演奏されるが各ソロパートは火の出るようなテンションの高いもので、15分に及ぶ曲が短く感じるくらいだ。
ジョン・ルイス作の「ジャンゴ」のレコーディングは彼にとって永年の夢であったというが、ブルースフィーリングを放ちながらも清楚なイメージの曲に仕上げている。
ここには、グリーンがソウルフルなハードバップのギタリストから飛躍を遂げるプロセスが窺える。


このレコードは米国ブルーノートの再発売盤であるがジャケット・音質ともに素晴らしいものだ。CDでは味わえない世界がある。

相川 潔
元広告会社社員・長崎市生まれ熊本市在住。
ジャズ、ロック、ソウルなどのレコードを追い求めて数十年。名盤、奇盤多数。
レコードは盤、ジャケット、再生機を含めて楽しむべき芸術だと思います。