「エルム」(79年録音)

Date:2017年01月20日13時01分 | Category:音楽 | Writer:相川 潔
「エルム」(79年録音)
リッチー・バイラーク

珠玉の名演奏をちりばめる 
最強トリオのマスターピース


 リッチー・バイラークはスタン・ゲッツのメンバーとして登場し、ピアニストとしてのセンスの高さを知らしめた。ピアノソロ作品を次々に世に送り出したECMレコードのマンフレート・アイヒャーに誘われ、そのソロ作品のヒットで見事に第一線の仲間入りを果たす。

 79年に発表したトリオでの3作目はジャック・ディジョネット、ジョージ・ムラーツという重鎮メンバーで臨む。バイラークの瑞々しく美しいタッチで紡ぎだされるメロディはやはりこのレーベルでしか生まれない世界なのだろう。シンバルを多用するディジョネットのドラムとステディなベースがバイラークのピアノを華やかに盛り立てるのだ。

 佐賀で勤務していた頃に、市内のジャズ喫茶「サテンドール」のマスターがお薦めとしてかけたレコードがこの作品だった。現役ベーシストとしても活躍されている彼はムラーツのベスト盤と自認されていた。まさにバイラークの最高傑作といえる名盤ではあるのだが、プロデューサーのアイヒャーとの解消できない軋轢により、その後の彼の作品は日本以外では抹消されているのだから残念な話だ。


このレコードは80年大晦日に京都で手に入れた西独原盤である。この作品も日本人しか楽しめないものになってしまったようだ。

相川 潔
元広告会社社員・長崎市生まれ熊本市在住。
ジャズ、ロック、ソウルなどのレコードを追い求めて数十年。名盤、奇盤多数。
レコードは盤、ジャケット、再生機を含めて楽しむべき芸術だと思います。